彩りのスパイスを宿す超人 ― 当時物キンケシ「カレクック」筆塗りリペイント記録 #1026
昭和の名玩具「キン消し」から、レギュラーサイズ・パート2のカレクックを筆塗りリペイント。水性アクリル塗料で彩色し、独特の世界観を現代に蘇らせました。
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レトロな魅力を蘇らせる ― カレクックのキン消しをペイント
今回は、レギュラーサイズの「当時物キン消し」から、パート2に収録されているカレクックをリペイントしました。
超人オリンピック編に登場したインド出身の超人で、独特の造形とカラーリングが印象的です。
使用したのは、いつものように水性アクリル塗料。筆塗りによって温かみを残しつつ、昭和ソフビらしい風合いを引き出していきます。

キン消しパート2の魅力とラインナップ
レギュラーサイズ・パート2のキン消しには、有名超人が数多くラインナップされています。
今回のカレクックと同じシリーズには、カナディアンマンやジェシー・メイビアなど、初期を代表する超人たちも登場していました。
当時のブックレットを眺めると、昭和玩具ならではのデザインと熱量が感じられます。


塗装前のコンディションと下処理
塗装前のカレクックは、経年による色あせはあるものの、汚れや欠損もほとんどなく良好な状態でした。
全高は約4cm。スリムな体型ながらもバランスが良く、自立も安定しています。



下処理は以下の手順で行いました。

- 煮沸してゴム素材を柔らかくし、形を整える
- ベンジンに一晩〜2日漬けて可塑剤を抜く
- 乾燥後、Mr.スーパークリア・つや消しを全体に吹き、塗装の下地を整える



この工程を丁寧に行うことで、塗料の密着性が高まり、塗りムラのない仕上がりに近づけることができます。
使用塗料と筆塗り工程
今回使用した塗料は、水性アクリルの**ファレホ(Vallejo)とシタデルカラー(Citadel)**です。
すべて筆塗りで仕上げ、部位ごとに筆を使い分けながら丁寧に色をのせていきました。

工程は大きく2段階に分けて進めました。
下地塗り → 上塗り仕上げ の流れです。
下地塗り
まず全身にファレホの「エルフィックフレッシュ」を塗布しました。
明るいフレッシュカラーで、後の塗装の発色を引き立てるベースカラーです。
2〜3分ほどで全面を均一に塗り終え、完全に乾燥させました。

細部の彩色
- 目:ゲームカラーのブラックで瞳を描き、デッドホワイトで白目を塗装しました。
- 唇:スクイッドピンクを使用し、ほんのりとした表情をプラスしています。
- コスチューム・カレー皿:ゴールドイエローを使用。ややオレンジがかった発色で、暖かみのある印象になりました。
- 肌(上半身):シタデルカラーのラットスキンフレッシュを塗布し、褐色の肌を再現しました。
- シューズ:モーンファングブラウンで落ち着いたトーンに仕上げました。

塗料がムラにならないように、シタデルの溶剤「ラーミアンメディウム」を水で薄めて使用しています。
仕上げと最終コーティング
肌の部分にはラカルスフレッシュを重ね塗りし、塗り残しや色ムラを整えました。
カレーのルウ部分には、シタデルカラーの「コントラスト・スケルトンホード」で染め塗りを行っています。
全体の塗装時間はおよそ50分ほどでした。

塗装完了後は、ソフト99コーポレーションのボデーペン・クリアを全体に吹き付けて保護コーティングしました。
乾燥後に台座をセットして完成です。
フロントビュー、リアビューともに、安定感のある仕上がりとなりました。

完成レビュー ― スパイスの効いた昭和の超人
完成したカレクックは、少ない色数ながらも造形の魅力が際立つ仕上がりになりました。
アニメ設定や「超人図鑑」を参考に彩色したことで、当時の雰囲気を忠実に再現できたと思います。
昭和玩具特有の懐かしさと、筆塗りならではの温かみが感じられる一体となりました。



まとめ
今回は「キン肉マン」シリーズのレギュラーサイズ・パート2より、インド出身の超人カレクックを筆塗りでリペイントしました。
当時物のキンケシが、水性アクリル塗料によって再び色彩を取り戻す過程は、まるで命を吹き込むような楽しさがあります。
これからも、懐かしのキャラクターたちを丁寧に彩り、昭和玩具の魅力を伝えていきたいと思います。









