キン消し塗装前の下準備|煮沸・ベンジンで可塑剤を抜く方法とつや消し下地の作り方#1294
キン消しを水性アクリル塗料で筆塗りする前に欠かせないのが、煮沸・ベンジン漬け込み・つや消し下地塗装の3工程です。今回は、当時物の丸越製デカ消しから復刻版、2010年代以降の新規造形キンケシまで、さまざまな消しゴムフィギュアを使って、可塑剤を抜く方法と塗装前の下処理を紹介します。

キン消しを水性アクリル塗料で筆塗りする際、塗装後のべたつきやテカリを防ぐために重要なのが、塗装前の下準備です。
今回は、キン消し塗装のノウハウとして、煮沸・ベンジン漬け込み・つや消し下地作りの3工程を紹介します。
■ 今回の下処理に使用するキン消し
題材は、1980年代の丸越製デカ消しやレギュラーサイズの当時物、復刻版、2010年代以降の新規造形キンケシ、キンケシプレミアムなどです。


















タイルマン、スマイルマン、スクリューキッド、チエノワマンをはじめ、キン肉マンと悪魔将軍のキン肉ドライバーなど、さまざまな造形のフィギュアを用意しました。
時代やシリーズによってサイズや造形は異なりますが、今回は新旧のキン消しをまとめて下処理していきます。
■ 工程1:煮沸して汚れを落とし、形を整える
最初は、キン消しをお湯で煮沸します。
この工程の目的は、表面のホコリや汚れを落とすことと、熱で柔らかくなった素材の曲がりグセを整えることです。自立しにくいフィギュアも、このタイミングで姿勢を調整します。


今回も、曲がりグセのあったスマイルマンや、自立できなかったチエノワマンの形を整えました。


ただし、熱湯による変形や素材の劣化には注意が必要です。煮沸による処理は素材や製品の状態によって結果が異なるため、まずは少数で試し、加熱しすぎないようにします。処理後は十分に乾燥させて水気を取り除きます。
■ 工程2:ベンジンに漬け込んで可塑剤を抜く
次は、ベンジンを使って可塑剤を抜く工程です。


PVC(ポリ塩化ビニル)製のキン消しは、柔らかさを保つために可塑剤が使用されている場合があります。塗装後に表面へ可塑剤が移行すると、塗膜のべたつきやテカリなどの原因になることがあります。
今回はPET容器にベンジンを入れ、乾燥させたキン消しを漬け込みます。レギュラーサイズを中心に、複数のフィギュアをまとめて処理しました。

漬け込み時間は、これまでの作業経験では一晩程度を目安にしていますが、素材や可塑剤の種類によって結果は異なります。ベンジンへの漬け込みは、すべてのキン消しに有効な方法とは限らず、素材を傷める可能性もあるため、事前に目立たない部分や少数の個体で確認してください。

また、ベンジンは引火性が高く、蒸気の吸入にも注意が必要です。火気や加熱器具から十分に離し、製品表示に従って適切な換気・保護具・容器を使用してください。密閉や保管についても、使用する薬剤の安全指示を優先します。
■ 工程3:つや消しスプレーで塗装下地を作る
ベンジン処理後は、十分に乾燥させてから、Mr.スーパークリアつや消しスプレーを全体に塗布します。


つや消しの下地を作ることで、表面の光沢を抑え、水性アクリル塗料で筆塗りするための足場を整えます。
ただし、下地塗装だけですべての塗料が確実に定着するわけではありません。塗装前に素材との相性を確認し、薄く塗り重ねることを意識しています。
■ 下処理後のキン消しをチェック
処理後のフィギュアを確認すると、素材が硬くなり、カチカチとした感触に変化しているものがあります。また、可塑剤の移行や溶剤による影響などで、サイズや形状が変化する可能性もあります。


特に、もともと小さめの復刻版は、わずかな変化でも印象が変わることがあります。塗装する際は、下処理後のサイズや表面の状態を確認しながら進めることが大切です。
■ まとめ:キン消し塗装は下準備が重要
今回は、当時物の丸越製デカ消しから復刻版、新規造形のキンケシまで、さまざまなフィギュアを使って塗装前の下準備を紹介しました。
煮沸による汚れ落としと形状調整、素材に応じた可塑剤対策、つや消し下地作り。こうした工程を丁寧に行うことが、キン消しを水性アクリル塗料で筆塗りする際のポイントです。


これから今回下処理したキン消しを順番にペイントしていきます。塗装によってどのように変化するのか、ぜひ今後の制作記事や動画もご覧ください。










