【キン消し塗装ノウハウ】デカ消しの可塑剤抜き&下処理方法を徹底解説|水性アクリル筆塗り前の重要工程#1198
1980年代当時物の「デカ消し」を使い、筆塗り塗装前に行っている下処理工程を紹介します。煮沸による変形補正から、ベンジンを使った可塑剤抜き、つや消し下地作りまで、水性アクリル塗装を長持ちさせるための基本作業をまとめました。
【デカ消し塗装前に重要な“下処理”とは?】
今回は、キン消し塗装ノウハウ編として、筆塗り塗装前に行っている「可塑剤抜き」を中心に、デカ消しの下処理工程をまとめました。

題材にしたのは、1980年代当時物のデカ消しです。
使用したのは、バンダイ製の2000万パワーズ、バッファローマン、モンゴルマンに加え、丸越製デカ消しのデビルマジシャン、オイルマン、さらにファイティングポーズ版のキン肉バスターセットです。
バンダイ製デカ消しは、背中の「BANDAI」刻印が特徴で、全体的に大型かつスリムな造形になっています。一方、丸越製はマニアックな超人までラインナップされており、100種類以上展開された人気シリーズでした。
【最初の工程は煮沸処理】
まず行うのは、キン消しの煮沸です。

IHコンロと小型鍋を使用し、80〜100℃程度のお湯で2〜3分ほど加熱します。
目的は以下の2点です。


・表面の油分やホコリを洗い流す
・熱で柔らかくなった素体の曲がりクセを矯正する
柔らかくなったタイミングで形状を整え、自立できるよう調整します。冷えると再び硬化するため、安定して立たせることができます。

特にデビルマジシャンのような変形しやすい個体は、この工程でクセを修正しておくと後の塗装がかなり楽になります。
煮沸後は、表面の水分が完全になくなるまで数時間〜半日ほど乾燥させます。
【ベンジンで可塑剤を抜く】
続いて、ベンジンを使った可塑剤抜き作業です。

デカ消しはサイズが大きいため、円筒形PET容器や長方形タッパーを使い分けています。素体がしっかり浸かるサイズ選びが重要です。

ベンジンは揮発性が高く刺激臭もあるため、換気を行い、手袋・マスク・眼鏡を装着して作業しています。

乾燥済みのキン消しを容器に入れ、ベンジンをヒタヒタになるまで注ぎます。その後、ラップと輪ゴムで密封。最近はこの方法が最も密閉性が高く、ベンジンの揮発を防ぎやすいと感じています。

漬け込み時間の目安は、一晩から2日程度です。
【可塑剤抜き後の変化】
ベンジン処理後のキン消しは、可塑剤が抜けることで少し縮み、硬質化します。

取り出した素体は水洗い後に乾燥。触ると“カチカチ”とした質感になり、昔ながらの柔らかいキン消しとはかなり印象が変わります。
この下処理を行わずに塗装すると、後から可塑剤が染み出し、ベタつきやテカリが発生することが何度もありました。


しかし、事前に可塑剤を抜いておくことで、水性アクリル塗料でもしっかり塗膜が定着し、長期間安定した状態を維持しやすくなります。
【最後はつや消し下地で塗装準備完了】
完全乾燥後は、Mr.スーパークリアつや消しを全体に吹き付け、塗料の食いつきを向上させます。

この工程によって、筆塗り時の色乗りが大きく改善され、ムラも抑えやすくなります。
なお、近年のキンケシプレミアムや2017年以降の新規キンケシでも、同様の方法で硬質化できています。ただし、1999年発売の復刻版でかキンケシのみ、うまく可塑剤が抜けなかった記録があります。
【まとめ】
今回は、デカ消し6体を使い、水性アクリル筆塗り前に行っている下処理工程を紹介しました。

キン消し塗装では、塗装技術だけでなく、事前の可塑剤抜きや下地作りが完成度に大きく影響します。
これからキン消し塗装に挑戦する方の参考になれば嬉しいです。









