キン消し塗装前の下処理|煮沸・ベンジンで可塑剤を抜いて下地を作る方法#1289
キン消しを水性アクリル塗料でペイントする前に欠かせない下準備を紹介します。煮沸、ベンジン浸けこみ、下地作りの3工程で可塑剤を抜き、塗装しやすい硬質な素体へ整えていきます。

キン消し塗装で重要な「下処理」
今回は、これからペイントするキン消しの塗装前下準備を行いました。


















対象は1980年代の当時物キン消しから、2000年代の復刻版、キン肉マンⅡ世、2010年代以降の新規造形キンケシ、さらに一回り大きなデカ消しまで、さまざまな世代です。
キン消しなどのPVC(ポリ塩化ビニル)製フィギュアは、可塑剤によって素材が柔らかく保たれています。

この柔らかさはフィギュアとしては重要ですが、水性アクリル塗料で塗装する場合には大きな問題になります。塗膜を作ったあとに可塑剤が表面へ移動すると、べたつきやテカリが発生し、せっかくの塗装面が安定しないことがあるからです。
そこで今回は、煮沸→ベンジン浸けこみ→下地作りの3工程で下処理していきます。
① 煮沸して汚れを落とし、曲がりクセを直す
まずはキン消しをお湯で煮沸します。
目的は、表面のホコリや油分を落とすこと。そして、熱によって素体を一時的に柔らかくし、曲がってしまった部分を整形することです。

今回のキン消しでは、レギュラーシリーズのブロッケンマンに曲がりクセがあり、自立できない状態でした。

沸騰したお湯に2~3分ほど入れて柔らかくしたところで形を整え、しっかり自立できる状態に戻しました。

造形によっては全体に熱が加わるよう、ピンセットなどで向きを変えながら処理します。
煮沸後は取り出して、十分に乾燥させます。
② ベンジンに浸けて可塑剤を抜く
次が今回の下処理で特に重要な工程、ベンジン浸けこみです。
ベンジンにキン消しを浸けることで、軟質化の原因となっている可塑剤を抜いていきます。



今回はPET容器を使用し、キン消しがしっかり浸かる量のベンジンを入れました。
ベンジンは刺激臭があり、揮発性も高い薬剤です。作業する際は、十分な換気を行い、手袋・保護メガネ・マスクなどを使用して安全に作業することが重要です。

容器はラップとゴムで密閉し、レギュラーサイズなら一晩から1日程度を目安に浸けこみます。状態によっては2~3日ほど時間をかけることもあります。

処理後は、可塑剤が抜けて「カチカチ」と音がするほど硬質化します。

③ 乾燥後に下地を作る
ベンジンから取り出したキン消しは、十分に乾燥させます。


その後、Mr.スーパークリアつや消しを全体に塗布し、水性アクリル塗料を筆塗りするためのマットな下地を作ります。
可塑剤が抜けると、その分だけ素体の体積が減るため、処理前より一回り小さくなることがあります。
特に復刻版など、もともと小さめのキン消しでは、このサイズ変化も考慮して塗装計画を立てる必要があります。
キン消しをきれいに塗装するための準備
今回は、当時物、復刻版、キン肉マンⅡ世、新規造形キンケシ、デカ消しなど、さまざまなキン消しを使って塗装前の下処理を行いました。
煮沸で洗浄と整形、ベンジンで可塑剤除去、最後に下地作り。

この工程を行うことで、軟質だったキン消しを塗装しやすい状態へ整えることができます。
これから今回処理したキン消しを順番にペイントして、どのような仕上がりになるのか試していきます。








