「悪魔の山を彩る筆先」レギュラーサイズ・キン消し ザ・魔雲天を筆塗りリペイント #1027
1980年代のキン肉マンブームを支えた「レギュラーサイズ・キン消し」。今回はその中から、七人の悪魔超人の一人・ザ・魔雲天を水性アクリル筆塗りで蘇らせました。荒々しい造形に命を吹き込む塗装工程を丁寧に紹介します。
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七人の悪魔超人、ザ・魔雲天を蘇らせる
今回は、1980年代当時の「レギュラーサイズ・キン消し パート2」から、七人の悪魔超人の一人・ザ・魔雲天を筆塗りでペイントしました。
使用したのは、いつものように水性アクリル塗料。ファレホとシタデルカラーを組み合わせ、オール筆塗りで色を重ねています。

この弾のラインナップには、同じ悪魔超人のステカセキングやブラックホールも登場しており、どれも人気の高いシリーズです。


塗装前の状態と造形の特徴
塗装前の魔雲天は、経年によるわずかな変色こそあれど、破損や汚れも少なく、非常に良好なコンディション。
サイズは約4cmのレギュラーサイズで、登場初期の原作デザインを再現しています。
ずんぐりとした重量感ある造形ながら、しっかりと自立する安定感も魅力です。



下処理:素材を整える工程
キン消しの塗装では、まず下地づくりが重要です。
今回も以下の手順で下処理を行いました。

- 煮沸処理:お湯で温めて形を整え、油分やホコリを除去
- ベンジン漬け:一晩~2日かけて可塑剤を抜く
- 乾燥・下地吹き:乾燥後に「Mr.スーパークリア・つや消し」を全体に吹き付け、塗装の定着を高める



この下処理が、後の塗料のノリや発色に大きく影響します。
ベースカラーと塗装の流れ
ペイントは、下地塗りから上塗りの2段階構成で行いました。
使用した筆は、面相筆と広面積用ブラシを使い分け、効率よく塗装を進めています。

まず、ベースにはファレホの「ゲームカラー・エルフィックフレッシュ」を全身に塗布。
明るいフレッシュトーンが、後の色を鮮やかに引き立てます。

乾燥後、目と帯をブラックで描き入れ、続いてボディにはカーキを塗装。
広い面にはシタデルカラーの「ラーミアンメディウム」で塗料を薄め、ムラを防ぎながら丁寧に重ねました。

コスチュームの彩色と仕上げ
白いコスチューム部分には、ファレホ「モデルカラー・ホワイトグレー」を使用。
わずかにグレーがかった白が落ち着きを与え、原作の雰囲気を引き立てます。

細部のスミ入れには、シタデルカラー「コントラスト・ブラックテンプラー」を薄めて使用。
さらに、岩肌のようなボディ部分には「コントラスト・スケルトンホード」を染め塗りし、質感を強調しました。

塗装時間はおよそ30分。短時間ながらも、陰影と質感をしっかり表現しています。
最終仕上げと完成レビュー
仕上げには、ソフト99の「ボデーペン・クリア」を全体に吹き付けて保護コートを施しました。
乾燥後、台座に固定して撮影。
正面から背面まで、どの角度から見ても“悪魔の山”らしい存在感を放つ仕上がりとなりました。

終わりに
今回は、七人の悪魔超人・ザ・魔雲天を水性アクリル筆塗りでリペイントしました。
少ない色数ながらも、力強い造形が映える仕上がりに。
当時物キン消しならではの手触りと造形美を、筆一本で再び蘇らせる──そんな時間が、またひとつ宝物になりました。













